良質記事の紹介です。 「著作権問題の元凶はジャスラックではない。それは放送局だ」と言い切るのは、「キャンディーズ - 春一番」を生み出した作曲家であり、ジャスラックの評議員の一人でもあった穂口雄右氏。 日本の音楽に自由を!:「元JASRAC」作曲家・穂口雄右が語る、著作権問題とその元凶 « WIRED.jp http://wired.jp/2012/11/26/interview-copyright/ そう言えば、Youtubeが誕生して7年あまり、数多の映像を視聴してきたけれども、削除依頼の名に「ジャスラック」が示された記憶は未だかつて一度もない。大概はテレビ局かレコード会社であった。そんなことすら気づかずに「カスラック」と思い続けた自分が恥ずかしい。 彼の経験則からくる著作権(そして著作隣接権)への正しい絶望が、彼がいま行なっているクリエイターの未来を切り開く素晴らしい挑戦の力強さに直結しているのだろう。彼を訴えた利権団体側が逆に返り討ちに合ってしまうなんてのは、少年漫画に匹敵する爽快感がある。 彼は言う。 「著作権料はもっと曲ごとに変動していい。」 「著作権に対する実験をするなら、国民が良く知る曲でやらなければ意味がない。闇雲に著作権フリーにしたところで、ただ埋もれてしまうだけですから。」 自らの「武器」を最大限に活かすことが、現状の問題点を打開する重要な切欠になるという外的な要請を自ら導き、しかも正確な知見に裏打ちされた戦略を組み立てそれを行おうとする論理的思考。なにより、利他的で生産的な活動への意欲に、利己的な欲動を活用させる達観した哲学体形。まさに知行合一の体現。 端的に言って「むかつく」。彼のような60歳になりたい。なれる気がしない。