WOWOWのアダルトドラマ「モザイクジャパン」が突き抜けている

連続ドラマW モザイクジャパン R15+指定相当|WOWOWオンライン
http://www.wowow.co.jp/dramaw/mosaicjapan/

傑作のにおいプンプン

「Woman」「最高の離婚」「それでも、生きてゆく」「Mother」の脚本家、坂元裕二の最新ドラマが、いまWOWOWで放送中です。

題名は「モザイクジャパン」。AV業界を題材にした作品です。まだ一話しかみていないけど、すでに傑作のにおいプンプンさせてます。たまらない。

真骨頂「WOWOWでしか流せない」が炸裂中

民放では絶対に放送できない卑猥な表現もさることながら、その強みを活用して、日本のいわゆる「モザイク文化」に対する深い深い疑義の提案をしようとしている。さすが坂元裕二。あ、彼の最も有名な作品は「東京ラブストーリー」ですが、あのイメージで見たらちょっと面食らうのは間違いない。

WOWOWは今までも民放には手の出しづらいジャンルをたくさん扱ってきた。池井戸潤原作のリコール隠し問題を題材にした「空飛ぶタイヤ」や、原発事故直後の真山仁原作「マグマ」映像化、あれは断言するけど、民放では絶対に放送できなかった。どちらも本当に秀逸な作品で、なんだかスタッフも役者もイキイキしているのが伝わってくるんですね。言葉のひとつひとつが突き刺さってくる。そういう作品が「WOWOWらしさ」の真骨頂だった。

今回はその「WOWOWでしか流せない」の新解釈になっている感じ。坂元裕二流と言ってもいいのかもしれない。

もう、脱げない女を「女優」と呼ぶな

ヌードだって普通に出てくるんだけど、アダルトな女優さん起用しているわけじゃない。女優として生きている女優さん(つまり舞台女優の比率が多い)がAV女優を演じている。オフィシャルサイトでみんなのインタビューを見られるんだけど、信念を持って演技者を捉えているのが伝わってきて、すごく好感が持てた。

モザイクという欺瞞をさらけ出す

モザイク処理された映像があるということは、つまりモザイクをかけている人がいる。撮影している人、本番をしている人がいる。この欺瞞に気づかないふりをする。いや、今となっては本当に気づいていない人すら増えているのかもしれない。

エンドロールで涙が出てきた

ともかく結果的にモザイクジャパンは生まれた。有料放送局でしかできない際の際を攻めてゆくそのチャレンジ精神に、マジで身震いするほど感服する。素晴らしい。

第一話を見終わって、エンドロールを眺めていたら不意に涙がててきた。ぼくは駄作でそういう経験をした記憶がない。

もうこの勢いで言ってしまうけれども、WOWOWドラマを見たことのない人間がドラマを語るのを見たら、ぼくは心で罵詈雑言吐きまくっている。いや、本当に、ここだけの話。

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