杏は大根役者ではなく、平凡な役者なだけ
花咲舞が黙ってない|日本テレビ
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ドラマ「花咲舞が黙ってない」の主役を演じた女優「杏」に対して「大根役者」という意見が結構ある。ぼくはこの意見には賛同しない。
彼女の演技が大根に見えたとすれば、それは主役の「花咲 舞」が特別に演技力を必要とする役柄だったからだ。つまり、杏の演技力が平凡だった。そして人生経験の決定的不足。それに尽きる。
例えば、彼女は「花咲舞が黙ってない」の直前にはNHKの朝ドラ「ごちそうさん」で主役を演じた。視聴率は比較的高かったが、その時に大根役者という意見は目立たなかった。NHKの非常にウマいところは、演技力に左右されない役を主役にあてがい、演技力のある脇役によってそれを支えるバランス感にこそある。だから松下奈緒や向井理もいたって平凡(むしろすこしヘタ)な役者だが、「ゲゲゲの女房」でそれは目立たなかった。
池井戸潤の描く登場人物は、非常に重厚で人間味溢れる人物ばかりだ。その中の主役ともなれば、とても平凡な役者になどに演じられるはずがない。それは今までにドラマ化されたいくつもの池井戸潤作品を視聴していれば十二分に理解できる。
「空飛ぶタイヤ」「下町ロケット」「鉄の骨」「七つの会議」「半沢直樹」この内のふたつくらい見ていればわかる。
しかも映像作品というのは、役者だけでは完成しない。演出や編集、脚本、音楽といった多様な芸術分野に左右される総合芸術だ。その意味で言えば、今回の「花咲舞が黙ってない」は全体的にあきらかな力量不足だった。腹立たしいくらいに。
正直、これならTBSかNHKかWOWOWにドラマ化してもらった方がよかった。いや、むしろこれからリメイクして、今回の作品がどれほど低レベルだったのか証明してほしい。
ただ、放送後一週間、ネットで本編を無料放送という日本テレビの思い切った試みは大いに応援します。今後もぜひとも続けてほしい。
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