共同通信が第一次情報源として前衛的なサービスを開始した

共同通信が会見の全文書き起こし配信サービスを開始
一般社団法人共同通信社と株式会社共同通信デジタルは、閣僚、企業、業界団体など53種類の記者会見をテキストにて全文書き起こし、Eメールにて3時間以内にお届けするサービス「会見全文速報」を開始しました。
共同通信が会見の全文書き起こし配信サービスを開始するそうだ。メディア界隈のウェブサービスとしては、本当に久しぶりに注目に値するものが出てきたと言えるのではないだろうか。

今回はあくまでも通信社が法人向けに配信するものではあるけど、もしかしたら、今後のネットとメディアの関係性を好転させる大きな足がかりになるかもしれない。

■無編集で配信するという革新性


近年、youtubeやニコ動、USTREAMに代表される動画共有サービスが台頭したことで、重要な会見をいつでもネット上で視聴できるようになった。そのメリットを端的に言えば「無編集で視聴できる」という一点に集約できるだろう。

つまり、編集過程を経ない(恣意性を排除した)純粋な一次情報を誰もが受け取れるようになったということだ。これは歴史的に見ても非常に重要な革新であったと言っていい(例えばアル・ジャジーラが台頭した理由は、複雑な中東情勢へのコネクションと造詣の深さにあるのだが、それを世界中に無編集なままリアルタイムに配信した試みが支持されたのでもある)。

■大手メディアが無編集ダダ漏れ放送を選択できない理由


上記ような現状を引き合いにだして、大手メディアの編集行為に対する(恣意的すぎるという)非難が強くなっているわけだが、放送局が無編集ダダ漏れ放送を選択できない理由は大きく2つある。

ひとつは民放特有の問題だが、彼らの収益モデルが広告に依存しているため、広告主への自主的な配慮をせざるを得ない(ダダ漏れ放送は広告主に不利益な情報を排除しきれない)。

ふたつ目は公共性。日本に住む誰もが無料で視聴できる性質に鑑み、非常に厳しい放送倫理を適用せざるを得ない(例えば放送禁止用語を連発するような放送を垂れ流せば、放送免許剥奪の可能性すらある)。

■大手メディアの強み


ただ、大手メディアの持つ資金力・ノウハウ・コネクションは、一次情報を得る意味で非常に重要な要素であり、これは残念ながら他の追随を許さない。彼らがもし特異な制約下から脱し、純粋な一次情報を無編集で発信できる場を与えられるなら、それは高品質な情報サービスが初めから確約されたようなものである。

■私感


よって、今回の共同通信の試みが成功すれば、映像メディアにも新たな方向性が生まれる可能性が大いにあると思う。もし、ネット上であらゆる記者会見の模様が無編集のまま参照できるできるようになったら、僕はめちゃくちゃ興奮しちゃうね。

ちなみに、国会についてはそれがもう実現している。こういう試みはもっと評価されていい。

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